Yuichi
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エディンバラの中心、ヴィクトリア朝時代の古い建物の一角にあるアビーマウント・スタジオ。この創作の場に、ボルハ・モロンタの陶芸工房があります。
スペイン北部アストゥリアス出身のボルハは、マドリードで建築の学位を取得したのち、手の神経の大きな修復手術を経てエディンバラへ移り住みました。新しい生活を求めるなか、リハビリの一環として趣味で始めた陶芸が、やがて彼の心の拠り所となり、後には最大の情熱であり本業となる——当時は思いもしなかったことです。ボルハにとって、ろくろは聖域のような存在になりました。回転するろくろは彼の内に静かな安らぎをもたらし、健康の問題や以前の仕事への不満で周囲のすべてが崩れかけていたときにも、そこにだけは平穏がありました。彼は、その穏やかな心の状態が作品に映し出されることを大切にしています。現在、ボルハの制作依頼は来年末まで埋まっており、その作品は世界中のレストランや家庭で使われています。日本の美意識に着想を得た繊細な線と、落ち着いた自然な淡い色調で知られ、そのシンプルさは工芸の新しい解釈を生み出し続けています。
建築から陶芸へ
卒業後、ボルハは建築の仕事に就きましたが、自分には合わないとすぐに気づきました。理論を学ぶなかで感じていた創造性や楽しさは、机に向かう実務のなかには見つからなかったのです。画面ばかり見る日々から逃れたいという思いと神経の負傷が重なり、彼は芸術とインスピレーションを生活に取り戻す新しい趣味を探し始めました。
彼はまずエディンバラ・セラミック・ワークショップに入会し、月曜の夜のクラスに通い始めました。すると月曜日が一週間で一番好きな日になったのです。仕事を終えると、片手で自転車のハンドルを握り、もう片方の手でサンドイッチを頬張りながらクラスへ急ぎ、それから3時間、陶芸に夢中になりました。20回のレッスンを終えたボルハは正規メンバーに応募し、少しずつ地元の店やレストランから注目を集めるようになります。陶芸で生計を立てるつもりはなかったものの、趣味は自然と副業へと変わっていきました。当時のボルハは、仕事に行くより工房にこもっていたくて仕方なかったと振り返ります。やがてロックダウンが訪れ、人々の交流の場がソーシャルメディアだけになると、彼のInstagramアカウントは一気に注目を集めました。制限が解除される頃には、パンデミック中に積み上がった注文に応えるため、同僚とともに共同スタジオを借り、本格的に陶芸制作に専念することを決めたのです。
着想の源——日本の美意識、モランディの静物画、そしてその先へ
彼の作品は、シンプルで無駄のない線と、落ち着いた自然な淡い色調——明るいグレー、苔のような緑、スレートがかった白——を、手ざわりのある多孔質またはマットな仕上げでまとっています。こうした特徴の背景には、日本文化の影響が大きくあるようです。大学3年のとき、ボルハは日本の伝統的な住まいをテーマにしたワークショップに参加しました。その研究は、建築をはるかに超えた新しい世界を彼に開きました。畳の上で暮らす人々の目線を捉えるために低いアングルで撮影する映画監督・小津安二郎や、『陰翳礼讃』で日常の美を綴った谷崎潤一郎を、彼はよく引き合いに出します。これらの要素はボルハの陶芸への姿勢にも表れています。彼は特定の用途のための器を作り、日本の伝統がそうであるように、用途が形を決めるのです。しかしボルハの探求は実用にとどまらず、美へと向かいます。器そのものの佇まいも味わえるよう、細部まで精緻に仕上げることを目指しています。
彼の線はミニマルで建築的です。学生時代に影響を受けた建築家を振り返れば、そのつながりは自然と見えてきます。ボルハが名前を挙げるのは、日本の建築家・安藤忠雄やスイスの建築家ピーター・ズントー。素材こそが作品に個性を与える鍵だと考える、簡潔で本質に迫る仕事です。コレクションのなかには、明確な着想源を持つものもあります。たとえばボトルのシリーズは、4月にバルセロナで訪れたモランディ展から生まれました。そこに、12歳の頃に通った絵画教室の記憶が重なります。瓶やカップ、鉢といった小さなモチーフの静物画を描くのが大好きだったというボルハ。その経験は、ミニマルで中立的でありながら、機能的で美しい作品づくりへとつながっています。そして、彼の抑えた色調には、スコットランドの風景の影響もあるのかもしれません。こうした美意識は、作り手と作品の境界を越えて交差します。ボルハは無意識のうちに自分の器と同じような服をまとい、その装いは作品と同じ柔らかなパレットを共有しています。木の面、ニュートラルな色、自然素材の布でできた自宅にも、その感覚は息づいています。彼の内にある美学が作品へと注がれ、陶芸は空間の中で動き、暮らすことのひとつのかたちになっているのです。
土、釉薬、デザイン——ボルハの創造力
手仕事ゆえに、彼の作品はひとつひとつが唯一無二です。ボルハは3種類の市販の粘土を配合し、自分だけの土を作ります。目的に応じた性質を得るため、多くの時間を実験に費やします。たとえば密度の高い土は熱衝撃に強く、熱い飲み物や料理のための器に向いています。釉薬も自ら調合します。釉薬化学の講座で身につけた技術のおかげで、小石のような手ざわりにも、なめらかな表面にも、思いどおりに調整できるのです。成形はスタジオの上階で行われ、そこには2台のろくろと乾燥棚があります。下階では施釉と1260°Cでの焼成が行われます。デザインは自宅で考えます。朝食のグラノーラのためのボウル、朝のコーヒーのためのカップ、指を火傷せずに底を持てる厚い高台の湯呑み——ボルハがデザインするのは、いつも自分が使いたいもの、家で使う場面が思い浮かぶものなのです。
心に語りかける器
ボルハの陶芸は、日々の暮らしそのものです。人々が集い、語らい、食事をともにし、かけがえのない時間を過ごすテーブルの上に置かれる器。きわめて個人的な営みとして始まったものが、いつしかより大きな意味を宿すようになりました。振り返れば、ボルハは手のセラピーとして陶芸を始めましたが、それはやがて彼だけの安らぎの場所となり、オンラインの世界や日常の単調さに対する瞑想的な解毒剤となりました。彼は自分自身と、そして失いかけていた美や芸術と、再びつながる方法を見つけたのです。流れるような粘土の生命力との対話。動きと感情の親密なつながりが、すべての作品に息づいています。そしてその器は、使う人々とつながり、その人たちの暮らしの一部になっていきます。ここにこそ陶芸の美しさがあります。土を芸術に変える力。美しさ、簡潔さ、実用性に根ざした器は、おいしい食事、良い仲間、家庭のぬくもりといった、人が分かち合う経験を思い起こさせ、魂に語りかけるのです。
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